"America Watch" Fumio Matsuo
日本は「アメリカという国」をどこまで正確に理解しているのか・・・
昭和8年(1933年)生まれ、第二次世界大戦で敵としてアメリカに出会った最後の世代の一人である私が、 ジャーナリストとしてかかえ続けているテーマです。
いま、「アメリカという国」は、政治、経済、軍事はいうにおよばず、社会、スポーツと、日本の生活の隅々まで入り込んで来ています。
歴史と文化と価値観が異なる二つの国としては、世界の歴史でも例のない緊密な二国間関係です。
しかし、それは表面的なことではないでしょうか・・・
1853年のアメリカ艦隊の来訪によって近代化のとびらを開かれながら、結果として、88年後には、戦争という最大級の『すれ違い』を演じてしまった過去を知る私としては、かたちは違っても、日本とアメリカの間には、依然、『すれ違い』が続いているのではないかと心配になるこのごろです。
アメリカとの友好関係は、日本にとって今も昔も至上命令です。そのためには、まずその実像をきちんと、とらえ続けねばならないと思います。
アナログ世代の私が、あえて「ブログ」という新しいメディアを使って、「アメリカ・ウォッチ」の発信を決意したのは、そのためです。日本人だけの論議だけではなく、アメリカ人やその他の外国の人々にも知ってもらうために、英語での発信も心がけます。発信の数はかぎられ、収録した寄稿論文(英語を含む)と合わせて読んでいただく「図書館」型ブログになります。
インターネット時代の荒野に乗り出すドン・キホーテのような心境です。
2006年4月 松尾文夫