◎ アメリカ・ウォッチ 「レイム・ダック化が懸念されるオバマ政権の行方」リリースと毎日新聞西川コラム、ご紹介のお知らせ。
(1) 皆様、あっという間に厳しい夏も過ぎようとしております。9月1日に発行されました渋沢栄一記念財団機関誌「青淵}のご好意で、同誌9月号時評欄に寄稿しました「レーム・ダック化が懸念されるオバマ政権の行方ー「タオルを投げた」との説まで流れる受け身の日々ー」をそのまま本ブログでも、「アメリカ・ウォッチ 第31回」としてリリースしますので、ご高評下さい。久し振りのオバマ政権の分析です。
(2) 8月22日付け毎日新聞朝刊3ページの西川恵客員編集委員執筆の名物コラム「金言」で「日米首脳の相互献花」と題して、私が2005年以来、日米のメディアで提唱しているハワイ真珠湾のアリゾナ記念館と広島双方であの戦争にケジメを付けるための儀式として、日米首脳による相互献花を行うべきだとの案が紹介されていますので、ご報告しておきます。一年後に迫る敗戦70周年の記念行事として今から日本外交が考えておくべきだというのが西川氏の主張で、私は100%賛成です。嬉しいことに元駐米大使栗山尚一氏(元外務次官)の賛成するとの言葉も紹介されております。中国、ロシア、そして韓国がご存じのように来年の「戦勝」記念、「独立、開放」記念行事を既に予告していることでもあり、時宜を得た優れた提案だと思います。これだけ日米同盟の深化が叫ばれながら、こうした儀式が実現していないこと自体、考えてみれば不思議なことです。是非西川氏のコラムをお読み下さい。
米中関係をテーマとする次作の執筆は、最期の正念場を迎えております。完成までもうすこし時間を頂きます。天候不順な折り、皆様のご健勝を祈ります。
松尾文夫 (2014年9月2日)
◎ 相変わらず更新を怠っていて申し訳けありません。 何度もお断りしている通り、米中関係をテーマとする本の執筆にまだ追われているためで、安倍外交と米中関係、アメリカ中間選挙戦展望などについての時評は渋沢栄一財団機関誌「青淵」での執筆の順番が回ってくる7月末までお待ち頂きたいと思います。
代わりに、今回は去る4月25日にハフィントンポストから、9年前の月刊文藝春秋2005年8月号上に「東京空襲、敵操縦士との和解の日=ドーリットル爆撃隊員と再会。63年の恩讐を越えて=」と題して寄稿した記事全文がそのまま資料写真を付けて流された記事を掲載させていただきます。 配信直後から「初めて知った」「B25の存在と参戦を初めて知った」などの反響が多く寄せられたようで、今私が最も大事だと考えている「あの戦争の過去をきちんと知った上で、まだ日本が果たしていないアメリカや隣国との歴史和解の実現」のためにも、72年前にこうした出来事があったという事実を知っていただきたく価値があると思い、リリースする次第です。ご高評を期待します。
(松尾文夫2014年6月2日記)
4月8日に本ブログでも配信しましたハフィントンポスト日本語版への私の寄稿「今こそ安倍首相は真珠湾アリゾナ献花の一石を ーアメリカとの不協和音解消が急務ー」の英訳版が25日、オバマ大統領の訪日終了に合わせて、ハフィントンポスト英語版で全世界に配信されました。 冒頭少し付け加えてありますが、安倍首相に「今こそ真珠湾アリゾナ記念館献花」を呼びかける内容には一切変化ありません。以上ご報告まで。
(2014年4月26日、松尾文夫)
●「今こそ安倍首相は真珠湾アリゾナ献花の一石を ー アメリカとの不協和音解消が急務 ー 」(ハフィントンポスト 2014/4/8 掲載)
2005年にアメリカで誕生し、今年から朝日新聞との提携で日本語でのサービスも始まった新ネット情報サービス「ハフィントンポスト」に私の執筆した「今こそ安倍首相は真珠湾アリゾナ献花の一石をーアメリカとの不協和音解消が急務ー」が配信されました。
私がこのブログで第30回「アメリカ・ウォッチ」として3月15日に配信した内容とほぼ同じで、それに長年の主張である日米首脳による広島と真珠湾アリゾナ記念館での相互献花による歴史和解の儀式の提唱を加えた内容です。週末には英語版も流れる予定です。ご一読頂ければ幸です。
(2014年4月9日 松尾文夫記)
●第30回 アメリカ・ウォッチ 波紋収まらぬ安倍靖国参拝、日米同盟の試練 ー注目されるオバマ大統領との東京会談ー
本当にアメリカとの関係の不安定な状態を心配しております。「隣の國である」中国、そして韓国との相変わらずの緊張関係がこれだけ続くのは、世界の外交関係史上でも余り例を見ない異常なことで.その根底には日本とアメリカとの関係にきちんとケジメがついていない根源的な問題があると考えます。 渋沢栄一財団機関誌「青淵」4月号への寄稿と兼用になりましたが、「アメリカ・ウオッチ」として更新させて頂きました。
オランダでの日米韓首脳会談、さらには習近平中国国家主席のベルリン演説前の段階での執筆ですが、基本的な分析には変わりがありません。 ご一読とコメントを期待いたします。「日米より69年前に始まったアメリカと中国との関係」をテーマとする次作の執筆はまだ続いております。本ブログへの執筆が限られる状況はまだ続きます。ご容赦のほどを。
(2014年3月30日 松尾文夫記)
● アメリカ・ウォッチ 番外篇 ー「同級生交歓」に登場
二月遅れとなりましたが、月刊文藝春秋の2月号の「同級生交歓」欄に私の高校時代の演劇部仲間と登場しました。説明も私が書かせていただきましたのでご一覧下さい。 青春の日々の記録です。
本来のアメリカ・ウォッチは月末に発行される渋澤栄一財団機関誌「青淵」への寄稿を従来通りそのまま掲載予定です。
安倍外交が肝心のアメリカとの間で抱えている深刻な不協和音についてまとめてあります。ご一読下さい。
(2014年3月19日 松尾文夫記)
● 安倍首相 靖国参拝がアメリカに「失望」されたツケの重さ
皆様、遅ればせながら謹賀新年のメッセージを送らせていただきます。私は傘寿の新年となりましたが、元気に今年もアメリカ・ウォッチを続ける所存です。 といっても昨年来何度かこのブログでも報告しているように、2004年以来リサーチをアメリカと中国の双方で積み重ねてきました「日米関係より69年前に始まった米中関係」をテーマとする著作の仕上げに全力を傾ける日々で、本ブログのためだけにアメリカ・ウォッチを執筆するのは依然不可能な状態です。
ついては数か月に一度順番がまわってくる渋沢栄一記念財団機関誌「青淵」の時評欄への寄稿、および今回のようにアジア調査会のアジア研究委員会の場での私の発言『当面の米中関係』をまとめていただけている「アジア時報」2014年1月・2月合併号の内容を本ブログに転載させていただく形で、最新のアメリカ・ウォッチを読んでいただくことになります。
今回添付した「アジア時報」を読んでいただければ、安倍首相が突如として靖国参拝するはるか前の段階で、キャロライン・ケネディ大使率いるアメリカ大使館が即座に「失望」の声明を出したことに象徴される日本とアメリカとの関係の亀裂のみならず、安倍政権発足後続く中国、韓国との異常な関係の清算もますます展望が見えなくなる状況を、私がはっきりと予測していることをご理解いたけると思います。
ご一読いただき、率直なコメントを寄せていただければ幸いです。
では、皆様の新しい年でのご活躍とお健康を祈ります。
(2014年1月8日 松尾文夫記)
◎ 「マル激トーク・オン・ディマンド」第603回、「米大統領戦と“オバマのアメリカ”」にゲスト出演
若者や海外在住の日本人の間で高い人気を誇るといわれているビデオジャーナリスト 神保哲生氏と社会学者 宮台真司氏が司会するビデオニュース・ドットコム社の「マル激トーク・オン・ディマンド」第603回、「米大統領戦と“オバマのアメリカ”」ゲスト出演しました。
約二時間半にわたり、神保、宮台両氏に大統領選挙戦の分析だけではなく、「大統領選挙戦が全く論議されない日米関係」や「アメリカという国」を日本が依然としてきちんと捉えていないのではないないかーといった根源的な課題を論じています。
選挙結果が出た後、オバマ、ロムニーのどちらが大統領になってもお役に立てるニユークなアメリカ論となっておりますので、ぜひご覧いただければと思います。
神保氏とは長年の友人で、共同通信マーケット時代には、一緒に映像とニュースの一体サービスの仕事に挑戦したこともあり、アナログ世代の私にとってはネット時代の先端を行く若い貴重な友人です。
● 有料番組(月額500円)のため、冒頭のリード部分だけ添付します。
(2012/11/05 松尾文夫記)
◎ アメリカ大統領選挙戦終盤の情勢を古矢教授と分析
10月24日付けの毎日新聞夕刊(5ページ)に、11月6日の投票日が迫った今年のアメリカ大統領選挙戦終盤の情勢を分析した私とアメリカ学会会長で、北海商科大学教授の古矢旬氏との対談が掲載されました。そのPDFコピーを添付しましたので、ご一読下さい。
私にとっては、ケネディとニクソンが初めてのテレビ討論で争った1960年の大統領選挙戦を東京の共同通信本社外信部の新米記者としてカバーして以来、14回目の大統領選挙戦です。
コメントはこちらか新設の本ブログ専用アドレス matsuoblog@hotmail.co.jp にお寄せ下さい。
(松尾文夫 2012年10月28日記)
◎ アメリカから無事戻ってきました。ワシントン、ニューヨーク、サンフランシスコ、とそれぞれに家内との思い出が一杯残る旅でしたが、やはり大統領選挙戦たけなわの「アメリカという国」の空気を二年ぶりに据えたことは、意味あることでした。米中関係をテーマとする次作のリサーチもフィラデルフィアで予想以上の結果を得ることが出来ました。
選挙戦の形勢は、オバマ大統領に有利な形勢となっています。その報告は、前回予告したように渋沢栄一財団機関誌「青淵」9月号に寄稿した「オバマケアに対する明快な選択の場」と題する分析を、アメリカウオッチ24回、として発信させていただきます。8月末にまとめたものですが、基本的な分析は変わりませんので、ご一読下さい。
今年のアメリカ選挙戦については、11月6日の投票日でアメリカ国民の選択が下された後に、機会を見てまとめることになると思います。
最後に、中国、韓国との領土問題をめぐる不幸な紛争にしては、9月2日、国連総会で出席中に会談した中国と韓国の外相が尖閣、竹島、従軍慰安婦問題をめぐる日本の対応について「正しい歴史認識が必要」との見解で一致し、連携姿勢を確認した事実を重く捉えておきたい。「やはり来るべきものが来たか」と考える。その意味で、前回の最新情報で、「歴史和解の不在が日本外交の躓きの石」と題して中央公論の昨年2月号に寄稿した論文を再録したのは、意味があったと考えています。 まだの方はご一読いただければ幸いです。
8月末からこの私のブログ、「松尾文夫アメリカウオッチ」へのコメント受信専門のメールアドレスをmatsuoblog@hotmail.co.jpとして新設しましたので、ご活用下さい。
(2012/09/29松尾文夫記)
◎ 引き続き更新を怠ってまいりましたが、本日成田から約二週間の予定でアメリカ東部から西部へと縦断する旅に出発いたします。2年ぶりです。
ワシントンを振り出しに、フィラデルフィア、ニューヨーク、オハイオ州各地を回った後、サンフランシスコに出て、バークレー、スタンフォード両キャンパスを訪問して、23日に帰国いたします。
主なる目的は次の「アメリカと中国」の関係をテーマとする本の最後のリサーチです。1784年に初めてアメリカの貿易船を中国へ送り出した建国の父、ロバート・モリスの拠点であったフィラデルフィアに一泊し、モリスのお墓や資料館の訪問などを行います。 これに加えて、
今年の大統領選挙の結果を左右する最大の激戦州であるオハイオ州では、2004年、2008年にも同じ頃に訪れており、その経験を生かして形勢を見極めてきたいと思っております。
バークレー、スタンフォードでは、中国専門の学者先生から色々学んでくる予定です。
私事ながら、過去20年間、よみうりランド慶友病院で闘病生活を送っておりました妻直子が8月21日に「急性呼吸不全」で天に召されました。七五歳でした。苦痛の後のない穏やかな顔で旅立って行ったのが救いでした。私の長年のこうした激しいジャーナリスト生活を支えてくれた彼女への恩返しのためにも、有意義な旅としたいと念じております。
選挙戦のウォッチについては、9月末に発行される渋沢栄一財団機関誌「青淵」に寄稿しておりますので、発行と同時に、このブログでもいつものように皆様にも読んで頂きます。
最後に、最近の中国・韓国との深刻な領土問題を巡る対立について、深く心を痛めている一人として、友人からの要請もあり、約一年前の中央公論2011年2月号に「歴史和解の不在が日本外交の躓きの石―対米、対中、対ロ、どこを向いても不安定―」と題して寄稿した論文をPDFで添付させて頂きます。状況は一年前と変わってはおりますが、あの戦争に対する日本、および日本人のケジメの欠如、ドイツに比べてあまりにも落差がある日本、日本人の反省を論じた視点は、変わっておりません。「もし自分が中国人だったら」、「もし自分が朝鮮で生れていたら」と考える立場に立って、歴史和解の実現のための一歩一歩を積み立てて行かねばならないとして、南京での日本指導者の献花などを提案しております。敢えて再録し皆様の論議の叩き台となれば幸いであります。
では行ってまいります。
松尾文夫 (2012年9月8日記)
◎ また更新を怠っております。 主な理由は、連休前の北京清華大学でのリサーチを終えて、「日米関係よりも69年前に始まった米中関係」をテーマとする次の本の執筆に、本格的に取り組み始めたからです。2004年のジャーナリスト復帰後の第一作「銃を持つ民主主義―アメリカという国のなりたち-」の執筆を終えた直後から、足掛け8年、アメリカと中国の双方で集めてきた資料の山と格闘しながら、作業を続ける日々を送っています。
私自身はまだ加わる事を躊躇しているフェイスブックからも、再三この「アメリカウオッチ」の更新を求めるメールが入ります。ありがたい話ではあります。しかし、現時点では、やはり次作の原稿執筆をブログ更新より優先させたく考えております。つまり前回の最新情報で申し上げたように、数ヶ月に一回の割で回ってくる渋沢栄一財団機関誌「青淵」への寄稿と兼用させていただく状況は変わっておりません。
とはいっても、今年はまたアメリカ大統領選挙の年です。私にとって共同通信外信部の27歳の新米記者としてケネディーとニクソンが歴史上初めてのテレビ討論を行った1960年の大統領選挙戦をカバーして以来、14回目となるオバマ、ロムニーの対決のウオッチもかかしてはおりません。
現時点で、一言だけ報告しておくと、今年の選挙戦は「接戦」の様相を呈しているということです。ということは米国史上初の黒人大統領オバマが、1980年の選挙で敗北したカーター大統領以来の記録となる一期4年で姿を消す可能性も否定できない状況下にあると言うことです。もちろん、まだ流れを読む段階に入ってはおりません。しかし、この可能性だけは頭に刻み込んでおいた方が良いと思います。
このため、私も9月中旬には、次作の最終リサーチをかねて、アメリカ取材旅行を計画しています。この「接戦」の行方の鍵をにぎるオハイオ州にも立ち寄る予定です。オハイオ州には、2004年、2008年にも同じ時期に訪れ、いずれも同州を制して当選したブッシュ・ジュニア、そしてオバマの勝利を確信して帰ってきております。今年も同じような報告ができることを念じております。
本日は、更新の代わりに、私が属している日本記者クラブの会報2012年5月号に「リレーエッセイ」として執筆を依頼された故マンスフィールド駐日大使との出会いをまとめた小文のPDFを添付させていただきます。沖縄返還交渉が日米間の唯一最大の懸案であった約50年前の日米関係の記録として読んでいただければ幸いです。日米関係の難しさは昔も今も変わっておりません。
お陰様で、私が解説を担当した「キッシンジャー回想録 中国」(塚越敏彦他翻訳、岩波書店刊、上下)は有り難いことに売れ行き良好で、早くも4刷りです。ご報告まで。
皆様のご健勝を祈ります。
(松尾文夫記 2012年6月30日)
◎ 無事北京のリサーチ旅行から帰って来ました。清華大学、北京大学の先生を中心に多くの専門家に会うことができ、ようやく「日米関係より先に始まった米中関係」をテーマとする次作に自信を持って取り組むことができる気持ちになっています。しかし、これからが執筆の勝負です。
今日本と中国の関係は決して安定したものではりません。不幸な過去をそのまま清算せず、ケジメをつけずに放置してきたつけが、ますます重いものになっていると思います。中国も13億の人間の欲望に火をつけてしまった開放改革政策の果てで、一党独裁のもとでの市場資本主義の実践という基本的な試練に直面しています。日米より69年前に始まっていた米中関係の実像に迫ることで、日本と中国との不幸な過去への反省をあぶり出し、これからの日本と中国、そして米国が共生して、東アジアの安定的な「三角関係」となるシナリオを描き出せたらと念じております。
このため、本ブログの本来の目的である「アメリカウオッチ」は 数ヶ月おきに寄稿する渋沢栄一財団機関誌「青淵」での分析と併用させていただきます。渋沢栄一財団のご理解に感謝します。今回の00号は日米同盟の足下で起こっているアメリカへの留学生の減少という「劣化」現象を紹介しました。ご高評を期待します。
(松尾文夫。2012年5月1日記)
◎ ご報告が遅れましたが4月19日から北京に滞在しています。 清華大学で次の著作
「日米より69年前に始まった米中関係」(仮題)の為の最終のリサーチと、同大学
日本研究センターでの日米中の「三角関係」をテーマとする講演を行う為です。
北京は昨年7月の北京大学訪問以来ですが、スモッグと交通渋滞が更に進行している
感じです。出発前3月末に岩波書店から出版され私が解説を担当した「キッシンジャー回想録 中国」が好評で、増刷が決まったことを併せて皆様にご報告しておきます。
肌寒い北京にて。
(2012年4月23日 松尾文夫)